成瀬先輩に案内されてたどり着いたのは、生徒会、と書かれた部屋だった


「生徒会……?」


「そーそー、僕は副生徒会長なんだ」


「ちなみに弥生は次期生徒会長だよ」


「へー……ってえぇ!?」


「別になりてぇわけじゃねえよ。無理矢理決められたことだから」


どうやら生徒会長命令は絶対らしい
現生徒会長に指名されて仕方なるやるしかない、と本人は言っている


「じゃあ入ろっか」


「は、はい!」


私がこんなところに来ていいのかすごく不安だけど、成瀬先輩も如月くんもいるし大丈夫だと心に言い聞かせた


「やぁ、待ってたぜ」


目の前の椅子に座っていたのはとても怖そう……な人だった


「俺の名前は業火 廉(ゴウカレン)だ。お前は玉蔵千代だな?」


「は、はい……」


スタスタとこちらに歩いてくる業火先輩が怖くて怖くて如月くんの服をぎゅっと掴む


「千代??」


やばい泣きそう


「ほう……魁斗が言うように顔は見えねぇけど可愛いオーラ?が出てるな」


くいっと顎を掴んで上に向かされる。怖さのあまり泣き出してしまった


「ふ、ふぇぇええん(இ௰இ`。)」


「な!?」


「千代!!」


「廉……言ったじゃないか、千代は男が苦手なんだよ。お前みたいに男臭いやつ怖いに決まってんだろ」


「俺が男臭い……!?」


「千代!大丈夫か!?俺がいるから……」


ぎゅと如月くんが抱きしめてくれて、私も抱きしめ返す


「ふえぇ、怖かったー(இ௰இ`。)」


「ごめんな、俺が早く気づいてやれればよかった」


あまりに泣き止まない私に業火先輩がすっと手を出した


「こ、これやるから、泣きやめよ……」


私の手に転がったのは苺のキャンディだった、しかも私が昔から好きなものだった


「へへへ、これ大好きなやつだぁ……ありがとうございます(*´∀`*)」


「っ!////」


一瞬だけ業火先輩の顔が赤くなったのは気のせい……??


「おま、キャンディ一つで泣き止むってどんだけお子ちゃまなんだよ」


と如月くんに馬鹿にされちゃったけど、ホントに好きなんだもんこのキャンディ


「如月くんごめんね、もう大丈夫!」


「それはよかったけど……」


私が泣いたからなのか、如月くんの業火先輩に対する睨みがすごくなってる


「ぼ、僕男の人が苦手でそれを治すためにこの学園に入ったんです。すみません、泣き出してしまって……」


「い、いや俺の方こそ悪かったな。これからは気をつける」


「ごめんね千代、廉には僕の方からもしっかり言っておくから」


「もう大丈夫です!業火先輩、優しい人って認識したので普通に接することできます(*´∀`*)」


「それは良かった!」


と業火先輩がやたら喜んでいるけど、成瀬先輩と如月くんは何故か舌打ちしていた