放課後。

部活に行こうと思っていると


「なあ」


後ろから声をかけられた。

聞き覚えのある声。

後ろを振り向くとやっぱり律夜だった。


「なに?」

「今日、部活終わったら俺の家来いよ」


その言葉に私はもしかしたら律夜も…と期待してしまう。

けどその次の言葉でそれは勘違いだと知る。


「母さんがさ、久しぶりに話したいって」


ああ、そういくこと。

そういえば最近、律夜のお母さんとは会ってなかったな。

私は律夜のお母さんと仲良し。

前はよく会いに行っていたけど…


「大丈夫?お仕事忙しいんじゃなかったっけ」

「なんか一段落ついたらしい」


そうなんだ。

だったら会いに行ってみようかな。

「うん」と言おうとしたけど私はさっき見た母からのメッセージを思い出した。


『部活が終わったらすぐに帰ってきてね、大事な話があるの』


メッセージじゃ話せないほど大事なことなんだろうか。

とにかくより道をしちゃいけないのは事実。


「ごめん、今日はちょっと」


律夜は少し目をふせると「そっか」と返した。

「じゃあまた今度だな」

「そうだね」

「…部活頑張れよ」

「うん」


そうして律夜も部活へと向かっていった。