今日、この雪之小学校で、
晴れて小学生の仲間入りをした
私、葉純 糸菜 は、
1人、自分の席で本を読む。
話す人なんか誰も居なくて
友達も0。
こうなるだろうなと
予想はしてたけど、
もう既に出来上がって
ガールズトークで盛り上がって
グループに話しかける勇気なんて、
私には
1ミリもないわけで。
今読んでいる
「友達」という本は、
私のお気に入り。
本はいい。
私を物語の世界へ連れて行って
くれて、嫌な事を
忘れさせてくれるから。
思い出したくもない過去も。
友達のいない現実も。
桜が満開で開け放たれた
窓から桜の花弁が
ひらひらと舞い降りる教室。
その時の私は、
ひとりまた
本のページをめくった。
***
キーンコーン カーンコーン
授業が終わり、チャイムが鳴って、
教室にはまた
休み時間特有のざわめきが
戻る。
ボールを持って外に行ったり、
他のクラスの友達に会いに行ったり。
気づけば、教室には
私ひとりだった。
ふと、机の上に舞い降りている
桜の花弁が目に入る。
今は窓を閉めているから、
さっきの休み時間から
ずっとあったんだろう。
なんとなく外の空気が
吸いたくて、私は席を立ち
窓を開けた。
窓を開けると、
ふわっと広がる、桜の優しい香り。
そして窓のすぐ上には、満開の桜。
思わず手を伸ばすと
春の風が吹いて
手のひらに、桜の花が
ひらひらと舞い降りた。
私は、桜が好きだ。
たとえ咲いてる時が短くて、
花がないときは見向きもされない
花木だとしても、強くて、儚くて。
そんな春の光景に
目を細めて、桜の花を
髪留めみたいに耳元に
つけると、私は誰に向けてでもなく
微笑むと、
春の景色から目を離して
自分の席に戻り、
本を開いて
また物語の世界へと旅立った。
晴れて小学生の仲間入りをした
私、葉純 糸菜 は、
1人、自分の席で本を読む。
話す人なんか誰も居なくて
友達も0。
こうなるだろうなと
予想はしてたけど、
もう既に出来上がって
ガールズトークで盛り上がって
グループに話しかける勇気なんて、
私には
1ミリもないわけで。
今読んでいる
「友達」という本は、
私のお気に入り。
本はいい。
私を物語の世界へ連れて行って
くれて、嫌な事を
忘れさせてくれるから。
思い出したくもない過去も。
友達のいない現実も。
桜が満開で開け放たれた
窓から桜の花弁が
ひらひらと舞い降りる教室。
その時の私は、
ひとりまた
本のページをめくった。
***
キーンコーン カーンコーン
授業が終わり、チャイムが鳴って、
教室にはまた
休み時間特有のざわめきが
戻る。
ボールを持って外に行ったり、
他のクラスの友達に会いに行ったり。
気づけば、教室には
私ひとりだった。
ふと、机の上に舞い降りている
桜の花弁が目に入る。
今は窓を閉めているから、
さっきの休み時間から
ずっとあったんだろう。
なんとなく外の空気が
吸いたくて、私は席を立ち
窓を開けた。
窓を開けると、
ふわっと広がる、桜の優しい香り。
そして窓のすぐ上には、満開の桜。
思わず手を伸ばすと
春の風が吹いて
手のひらに、桜の花が
ひらひらと舞い降りた。
私は、桜が好きだ。
たとえ咲いてる時が短くて、
花がないときは見向きもされない
花木だとしても、強くて、儚くて。
そんな春の光景に
目を細めて、桜の花を
髪留めみたいに耳元に
つけると、私は誰に向けてでもなく
微笑むと、
春の景色から目を離して
自分の席に戻り、
本を開いて
また物語の世界へと旅立った。
