熱で、だるい身体をなんとかベッドから出ると、玄関へとゆっくり歩く。 「おい、健人…うるせーよ」 ガチャッ………。 「お久しぶりでございます。令様」 「… 佐藤さん…」 目の前に現れた佐藤さんは、高校に上がるまで俺の面倒をよく見てくれていた家の使用人さんだ。 「…ゲホッ…っ…なんの、用ですか?」 「令様!?ご体調が優れないのですか!?」 …やば…また、熱が上がった気がする… だんだん意識が無くなる実感がすると、目の前が突然暗くなった。