未来side



私は、放課後になると一目散に保健室へと向かった。

「お兄ちゃん!…あ、じゃなくて、西城先生?」

…やっぱり、西城先生と呼ぶのは、当分慣れなさそう。


下を向いて本を読んでいたお兄ちゃんは、メガネをクイッとあげて目の位置に戻す仕草をしながら、私の方を向く。


「朝日未来さん、何の用ですか?」


また、お兄ちゃんの意地悪が始まった…。


だって、用なんて無いけど会いたかったから、来ちゃったんだもん…。

でも、正直に言うのは、恥ずかしい。

「その…し身長を測りに来ました…」


「身長?…そっか、じゃあ早速、測ろっか」


良かったぁ、野村先生の時も、チビなのを気にして、よく身長測りに来てたし…不自然じゃないよね?