溺愛とはなんでしょう?



「はあ……今更、遅いよな。」

時刻は、とっくに20時を回っていた。

1人で外の空気を吸いながら黄昏ていると、携帯がメール受信の音を鳴らす。

健人か?

未来のことが気になり受信フォルダを秒で開く。

「未来からだ…」

それは、俺宛じゃなく鈴木葵に向けられた未来からのメールだった。

「葵さん……実は今日の告白は失敗しちゃいましたっ。


ーズキンー

改めて現実を突きつけられる文章に、ただただ申し訳なさと、悲しむ未来の顔を想像して何とも言えない胸の締め付けを感じる。


ごめん…未来。


「けど、次こそ頑張ります!!!わたし、やっぱり諦められなくて……。だから、葵さんもFIGHTです!!(*^^*)」


今日、未来は俺なんかに告白してくれる予定だったのか…夢じゃなく幻でもなく本当に俺に未来が告白してくれようとしてたんだ……。


嬉しいけど、、、俺みたいなのに未来の好きは勿体なさすぎるよ……


ごめん……、ずっと辛い想いもさせてた訳だし…


鈴木葵という存在が、未来の辛さを教えてくれた。