未来をこんなにも、傷つけて…
こんなんじゃ、もし許嫁と結婚しない事になったって、俺が当主になったって…遅いよな。
俺にとって、最悪の結末…
未来を諦めるという選択しか、どうやら残されてないみたいだ。
「お久しぶりです、令様…百合奈です」
久しぶり?なのか…未来以外、みんな同じような顔に見える。
「お久しぶりです…百合奈さん」
「あの、お父様が婚約発表は、来週の令様の誕生日と仰っていて…その、令様は…よろしいのですか?」
顔を赤らめながら言う彼女に俺は、作り笑顔で返答をする。
「はい、決められた事なので」
ほんと、最低だな…俺。

