溺愛とはなんでしょう?



「せ、先輩…、ですよね?」

…未来の声まで聞こえる幻覚に、少し動揺しながらも前へと進む。

何度か俺の名前を呼ぶ幻覚であるはずの未来に、違和感を感じ始めたその時…前を歩いていたお爺様の足が止まる。


「…令の知り合いか?」

…は?お爺様に見えてるはずがない…

いや、まさか幻覚じゃなく本物の未来?

けど、どうやってここに…。

未来の方を振り返ると、不安そうな顔をした未来が立っていた。

……っ…でも、ここでお爺様に、知り合いだとバレるのは、まずい。