その人は、「ねぇ、どうしたの?」と、更に距離を縮めて私の顔を覗き込む。
でも、知らない人に話す事じゃないし…
「ちょっと…、辛いことがあっただけです」
「ふーん、じゃあ俺がハッピーになれる魔法を君にプレゼントしてあげる」
「え…」
強引に彼に腕を持たれると、車へと乗せられる。
私は、何が起きてるのか把握できず口をポカーンと開けたまま現実を受け止めきれないでいた。
…これって…
新手の誘拐…!?
素性も知らない人の車に連れ込まれたら…どこに連れてかれるか分からない!!
この男の子、こんな可愛い顔して本当は、極悪人かも知れない…!
「あ、あの!!降ろしてくださいっ!!」

