「それが、連絡が全く繋がらねーから家に行ってみたらさ…部屋が空っぽで、もう引越しした後だったんだよ」
「え…引越し、ですか!?」
しかも、連絡も繋がらないって…
確実に、おかしいよね。
健人先輩は、床にお尻を着けて座ると、いつもと違った真剣な面持ちで黙り込む。
私も必然的に黙り込むと、数分の沈黙の後に健人先輩が口を開いた。
「アイツさ、家が凄い厳しいっぽくて今では、考えられねーかもしんないけど、ガリ勉だったんだぜ」
「え…、先輩がですか?」
私が、そう聞くと健人先輩は、大笑いしながら話を続ける。
「今は、バカしてるけどな!」

