「送る。」

そう言って稀唯を立たせた。

「え?大丈夫だよ?そこまで迷惑はかけられないし。」

「迷惑じゃないから。」

いつも女には冷たいけど、稀唯には優しくしたいと思った。

「そう?ならお願いしよっかな!」

ただ、俺がまだ一緒にいたかっただけ。


稀唯の家は俺の家より3駅前で降りてすぐだった。


稀唯を家まで送り届け、俺は自分の家へ向かった。


稀唯は家に入る前、またお礼を言ってくれた。その笑顔が可愛すぎてドキッとした。

稀唯の家は帰り道の途中だし、毎日でも送れる。

って、

いやいや待て。俺は今何考えてた?

自分が変態になってる気がする。ヤバい



俺はもしかして、稀唯のことーーー…