その声が稀唯だと分かった瞬間、助けないと。と思った。

自分でもよく分からないけど。

俺が前あの歌姫に助けられたように。

俺も助けたい。

廊下を走ってさがしてると、教室の中にいる稀唯を見つけた。心臓が止まるかと思った。


稀唯は男に押し倒されて、キスされそうになっていた。


「稀唯!!大丈夫か!?」


とっさに稀唯を押し倒していた男を殴った。


「おい。何してんだよ。」

思ったより低い声が出た。

「ひぃぃ
も、もしかして雅佳衣の弟の瑠衣!?」

「そーだけど?」

兄貴と俺怖がれすぎじゃね?

「す、すいませんでしたーー!」

そう言って男は走って逃げていった。