そして私は今まで培ってきたモテテクを世那くんに使いまくった。

時には自分でもあざとく思えてくるようなものもあった。

何かあれば『すごーい❤︎』と言って褒めた。



そんな毎日を続けた1週間ほどだった、がしかし世那くんが私に対して好意をもつことはなくあの不気味な笑顔が増えるばかりだった。


『どうして世那くんは私のことを好きにならないんだ!?』

ずっと考えている矢先に事件がおきた。


私は放課後なんとなく屋上に行った。

すると世那くんが後輩の女の子に告白されているところを目撃した。

「私、世那先輩が転校してからずっと好きでした!!!もしよければこれ読んで欲しいです!!!お返事は後日でいいのでもしよければ紙にかいてある連絡先に連絡してほしいです!!お、お願いします!!!!」

「わかった。ありがとう。」

そういって女の子は私に気づかずスタスタを降りていった。

私は世那くんをじっと見つめていた。本性を知れるとも知らずに。

「フッ。俺はあんたの顔も性格も、なんもしらねーのにどうやって付き合うんだよ。」

そういってその紙を紙飛行機にすると、スッと空に向かって飛ばした。


カランッ

「!!!」

近くにあった缶に気づかずに足が当たってしまった。

すぐに必死に隠れた。

「だれかいるんですか??」

やばい。そう思った。盗み聞きしてたことをばれたらどうすればいいのだろう。

ただただ時が流れるのを願った。

しかし、

「おい、盗み聞きしてたの??」

「偶然きたらいて、、」

世那くんの顔はいつもの不気味な笑顔ではなく怒りのまざった反抗期の男の子のような顔をしていた。

「あーーそ」


「ごめんね。そんなつもりはなかったんだけど、、、、。てゆうか手紙いいの??あの子頑張って書いたんじゃ」

「どうでもいい」

ーーどうでもいい??

そんな冷たい言葉に私は驚いた。多分周りからは王子様タイプの優しい人だと思われているであろう世那くんがそんな言葉を放ったからだ。

『もしかして、これが彼の本性…??』

少し怖くなった。


「どうでもいいって…きっとあの子は必死に書いたはずだよ?」

「四宮には関係ないことだろ。いい人演じるのも本当疲れるよな…なあ?四宮」

ドキンとした。