「はじめまして。坂元世那(さかもと せな)です。よろしくお願いします。」
ある日、私のクラスに転校生が来た。
その坂元世那という男の子は見るからにモデルのような顔立ちをしていて身長も180㎝以上はありそうな、いかにもモテそうなイケメンだった。
それなのになんだかミステリアスな雰囲気をもっている。
クラスの女子が髪の毛を整え始めたのがわかった。
コソコソとちいさな話し声が聞こえてくる。
『おもしろい』
私は彼に対してなんの感情もなかったが、かすかに興味を湧いた。
カッコいいのに誰も寄せ付けないようなそんな神聖なミステリアスなオーラにむしろ引き寄せられた。
偶然なことに席は空いていた私の隣だった。
「はじめまして!私 四宮莉奈です。なんでも聞いてね」
とりあえず雰囲気のいい感じで話しかけた。
「よろしくね四宮さん。」
世那くんがニコッと笑った。
なんだかその笑顔は似合っていないように思えた。
『なにかこの人には裏がある。』
そう思ったのだった。