お昼になって両親が来た。


そろいもそろって本当に心配性だからな。




コンコンッ



「失礼します。空くん、調子はどうかな?」



「あら。先生。今日もお願いしますね?」


先生がはいって来た瞬間に母さんはそんなこというもんだから。

「母さん。」


そう俺が止めると


「だって空がお世話になってるんだもの。やっぱり毎日挨拶はしないとでしょう?」


母さんは本当に心配性だ。父さんよりも明らかに心配性。


「もちろんですよ。お母さん。それで、調子はどう?」


「だいぶらくではあるかな。あんまりご飯は食べきらないんだけど。」


「そっか。まぁ今は一応点滴もしてあるからゆっくりでいいよ。食べれるだけでいいから食べてくれたら。」


「はい。」



「それと、なんか話あるんだって?看護師から聞いたぞ?」


「あの。俺、治療しても長生きできないんですよね?」


俺は直球で聞いた。遠回しにするのは嫌いだ。


「空くん?」


「空?!」


「俺。長生きできないのに治療するために死ぬまで病院にいるの嫌なんすよ。先生から話された日からずっと考えてたんです。」


そう。俺はあの日からずっと考えてた。治療をするって言われたけどそれでも5年生きれればいい方。てことは今から治療したら高校はほとんど、かよえないってことだろ?それは絶対嫌だった。



「俺、学校行きたいんです。もし高校3年生までなれなかったとしても。治療しない分高校に通えるならそれがいい。」


「でもね、空くん。そうすると君の体の中にいる病気は確実に空くんをむしばんでいくことになる。そんなことになれば3年も生きられるか。空くんの場合進行も早い。短いと2年生きられるのも危うくなるんだぞ?」