コンコン



「おはよう、空くん。検温に来たよ〜。」


この看護師さん最初から思ってたんだけどなんかゆるゆるーって感じの看護師さんだよな。なんか一緒にいるこっちまでゆるゆるになりそう…。


「病院って朝早いんだね。休みの日とか関係ないじゃん。」


「そりゃあ健康第一!生活リズムはしっかりしとかなきゃだからね!」


「それもそうだけどさ、俺一応夏休みなんだからゆっくりしたいんだけど。」


「じゃあ湯川先生に自分で言いに行く?」


あのチャラそうな先生か。あれは絶対ダメって言うな。笑いながら冷たいこと言うタイプだ。


「いや、いい。」


「はーい。じゃあ体温測ってね!」


「はいはい。」


「そういえば空くん。先生になんのお話したいの?」


「んー。これからのこと。」


そう。俺のこれからのこと。
悩まずにそれだけを考えてたって言ったら嘘になるけど俺にはそれ以外決断できなかったんだ。
だから、きっとこれは間違ってないはずだ。
間違ってても…。俺はこれでいい。


「…そっか。じゃあ先生来るまではゆっくりしててね!」


「はーい。」


ピピッピピッ


「よし!体温異常なし!大丈夫ね!」


「じゃあおやすみー。」


「まったくもう!ちゃんと朝ごはん食べるのよ?」


「わかったわかった。」


出会って2日の看護師さんだけどこの人はきっとこういう扱いされるタイプだから大丈夫と思いながら布団にもぐった。