コンコンッ


「先生からお話があるので移動しますね?」


そういわれ看護師さんに連れてこられた一室に今、俺と父さんと母さんはいた。


「失礼します。遅くなってすみません。担当医の湯川大毅と言います。」


俺は先生を初めて見た。

一言でいうと…


チャラそう。


「それでは本題に入りますね。…この前救急車で運ばれてきたのはただの貧血でしたので、大丈夫でした。ただ…。」



先生から出てきた言葉。

それは俺はもちろん父さんや母さんも耳を疑っただろう。

だって…



「白血病でした。」



そんな言葉だったんだ。
白血病?俺が?
そんなの信じられるわけがない。
でも。


「きっと前々から症状は出ていたと思います。最近だるかったり怪我をしたとき中々血が止まらなかったりしませんでしたか?」


そう言われたとき俺は思ったんだ。
たしかに最近だるかった。


「…はい。」


「そうですか。今の空くんの状態は思ったよりも深刻でした。」


「そ、そんなっ!空は、空は助かるんですよね?!」


「母さん、落ち着きなさい。先生も困るだろう。」


「うぅっ。でも、あなたっ。」


母さんが泣き崩れるところからはあんまり覚えていなかった。