ー何があっても三人だけでやり遂げよう

そうバンドを組む前に誓ったのだ。

俺は縛られているものから逃げ出したくて。

一人は期待されない自分を変えたくて。

そして目の前の一人も甘やかされ過ぎた自分を恥じ、何かを本気でやり遂げたい思いに駆られて。

そうして今のバンドができたのだ。
だからそれがある限り、誰が何と言おうと申し入れを受ける気など微塵もなかった。

それがどれだけ酷い事なのか知らないままに俺は窓から見える校庭の膨らみかけた桜の蕾をぼんやりと眺めていた。