店を出ると、日はもう西に傾き、駅ビルに隠れて見えなかった。

「じゃあ、またね」

そう言って、美緒は俺の手から紙袋を取ろうとする。

「いいよ。家まで送る」

「おおっ。優しいねぇ」

彼女の家は反対方向だけど、これだけの荷物はキツイだろう。

それに、もう少し一緒に居たいという思いもあったから。