〜夕方・豊橋駅にて〜

『それじゃあ、また』

『うん』

背を向けて歩き出す。

『あ!待って、拓海くん』

振り向く。

『ねぇ、あたしとお兄ちゃんを、全国大会に連れていってよ』

『はあ⁉︎』

一体何を言うんだ、と思った。

でも、真っ直ぐ見据えてくる彼女の目は、本気で俺を信じている目だった。

『あたしを照らす、太陽になってよ』

だから、

『分かった。約束する』

夕日に淡く染まった街の中で、誓った。