「送信!」

彼女が言うと、ピロンとケータイが鳴った。


『拓海くんへの初メール✨
ねぇ、何であたしを助けてくれたの?』


「おい」

「何?」

「目の前にいるのに、何でメールで訊くんだよ」

「だって…」

彼女が俯く。
恥ずかしいとでも言いたいのだろうか。

「俺は…、君の笑顔が見たいから。だから、助けようと思ったんだよ」

ふざけて言うと、彼女は顔を真っ赤にした。

俺も、めちゃくちゃ恥ずかしかった。