私の隣で平然とにこやかにオムライスを手際よく作る太陽さん。
私だけが気にしてるようで……
「 羽奈ちゃん見て、いくよ… 」
「 わ… うわぁ!すごーいっ 」
オムレツにした卵に切れ目を入れると緩やかに滑るように開く半熟卵。
あまりに綺麗で感動。
「 うまく出来たと思うけどどう?」
「 お店のみたいです 」
「 やったね 」
「 はい!美味しそう 」
今度、凛に作ってあげよ。
絶対見直すよね、羽奈すげー!って。
見てろ、凛~
このオムライスの味も盗んで作るんだから。
太陽さんと作ったオムライス。
私は卵を割り溶いただけ。
サラダの盛り付けと、お茶を入れただけ。
それでも何とも言えない充実感でいっぱいになった。
これが凛とならどんなに嬉しいかと思った。
「 ごちそうさまでした、美味しかったぁ 」
「 良かった。でも、俺的には半分だな… 」
「 半分ですか?」
「 羽奈ちゃんの気持ちが欲しい、一緒にいてその気持ちが強くなった。だから… 幼馴染み君から奪いたい 」
これはすごい告白でした。
太陽さんは私の気持ちが欲しいと言った。
一緒にいる時間で、こんなにも気持ちが大きく揺れ変わるなんて想像できない事だった。
その頃、私のショルダーバックの中でスマホが音もなく振動していた。



