生意気オオカミの虜


背伸びあるのみ、足首がさらにクビレてくれそうなほどのつま先立ちをした。


が、微妙にケチャップの袋が掴めない。


んー……… もうちょい、なんだけど~



「 ごめん、羽奈ちゃんにはキツいよな 」



そう言いながら私の後ろから余裕でケチャップを掴んだ太陽さん。

もちろん振り向く顔に対して太陽さんの顔が私を見下げ見える。



わ……



「 緊張する、と言うかドキドキする 」

「 太陽さんが?」



なんで?



「 こんな至近距離に好きな女いたらヤバいよな 」

「 それって… 」

「 羽奈ちゃんの事に決まってるけど 」



太陽さん……

好きな女って、私の事ほんとに?



改めて聞いてしまうと、どうにも熱が上がってしまう。

意外となかった緊張感に包まれる私の心臓がドキドキしだした。

太陽さんはそんな私の顔を見て言った。



「 諦めなきゃダメかな?」