生意気オオカミの虜


思えば凛は小さくて、一人で歩くようになってから頼と私のそばにいて離れなかった。

子供ながらに、ままごとのママ気分だった。

凛が可愛くて可愛くて……

だから成長しても変わらないでいる凛が尚更可愛いのだ。

ただ、男になってしまうのが喜べないが。



「 凛、凛ってば。夕飯、オムライス?」

「 焼き肉 」

「 そんなお金ありません!」

「 チッ 」



舌打ちしたなー!



「 凛、凛のためにオムライス作るから食べようよ 」

「 あーんってしてくれるならな 」



なんだと、甘えん坊め。



「 オムライスのケチャップはハート2つな 」



ハート2つ……



「 やっぱ3つ 」



ケチャップでハート……

まさかお願いされるとは。

昔はアンパンマンだったのに……

ハートとは、成長したもんだ。



凛のため、慣れた要領でオムライスを作っていく。

そしてハート3つをうまく重ねて3連ハートが完成。



「 凛出来たよ、ほら、ハート3つ 」

「 マジかよ、ほんとにやるとは… 羽奈は俺が好きだな 」



え、なんでそうなるの?

まぁいいけど。

凛、嬉しそうだな。