生意気オオカミの虜

凛は可愛い。

産まれたての凛、その記憶は薄いがそんな頃からずっと一緒にいる奴。



ハムサンドの一番おいしい部分を頬張る凛を見ながら思いだす。



そういえば… 凛のオムツを頼と一緒に替えた事あったなぁ

オムツ外したら気持ち良かったのか、おしっこ飛ばして…… プクク。

ギャーギャー言いながら頼とバタバタしたっけ。

凛てばハイハイしてくからオムツ持って履かせようと、凛は泣くし。

プハッ、笑える。



「 羽奈… さっきから気持ち悪いぞ 」

「 なんですって!」



わかんないだろうなぁ

どんなにあんたが可愛いかったか。

あの頃にある鮮明な記憶から今日まで変わらない思い。



なのに……


私を女として見るようになって。


生意気だなぁ ほんとに。



「 羽奈見ろよ、クリアー!」



ゲームか… まだまだね。



「 羽奈、夕飯何?」

「 もう!? まだ何にも考えてないよ 」



あ!しまった、バイト先に連絡してなかった。



慌ててバイト先の美容室に連絡すると、1時間でいいから来られないかと言われた。

それに対し、わかりましたと答えた。



「 凛、ごめん私バイト行くね。1時間だけだからいい?」

「 もう行く気満々でカバン持ってるくせに聞くのかよ 」



う… だって、行くなって言いそうだから。



「 美容室、なんて店?番号書いて 」

「 え~ もう 」



美容室・美風館、番号は…



メモを残し私はバイトへ。

凛は不貞腐れながら留守番。