生意気オオカミの虜


わかってないと言われて、反論の余地なく凛が頭を床から上げ触れる唇。

驚きと、瞬時に離そうにも凛の手が後頭部にある。


凛の閉じた目がゆっくり開くと…


ドキンッ…


唇は触れるだけでなく、甘い吐息ごと吸い込まれるようにされて。



凛っ……



なんて優しいキスするの。

年下のくせに……

私の知らないキス……



私には経験のない大人なキス。

緊張してる?

ドキドキしてる?

心臓がバクバクする……



ん……



「 羽奈… 俺の羽奈 」

「 凛… あ… 」



止まない、止まらなくされるキス。

止めない、止めないでほしいキス。


このキスは…

私に本気だと言うの?

凛、私を本気で好き?



いつの間にか私はトロン、とした顔になっていただろう。

キスに酔わされてしまった。

真っ赤にならずにいられない私とは逆に、凛は私を抱き締め幸せそう。



「 羽奈… ちょっと太った?」



え!?



「 太ってない!」

「 アハハハハハハ! ムキになるな~ 」



抱き締め、禁止にしなきゃ。