生意気オオカミの虜


勝手すぎると文句を言おうとした時…



「 羽奈ごめん!でも家だと藤谷とか誰かたくさん見舞いに来そうで休めないよ……
だから、羽奈ん家で休ませてよ、お願い 」



あ~………

上目使いのうまい奴め。


“ 羽奈ん家で休ませてよ、お願い ”


だって。

可愛いー……


これだから幼馴染みって。



「 わかったよ、ダメって言っても聞かないでしょ。頼、おばさんに連絡しといてね。凛、私の言うこと聞いてね 」



二人してニッコリ返事する。

頼に支えられながら私の部屋へ。

そして頼は大学へは戻らずか、バイトへか。

またな、と行ってしまった。



「 さてと…… 何、それは 」



凛がなぜか座り込み私へと両腕を伸ばしていた。



「 痛くて座ったら立てない、トイレ 」



……じゃあ座らず先にトイレ行けばいいのに。



「 しょうがないなぁ 」



凛の片方の手を握るとグンッと引っ張られ…



「 わっ…… 」



そしてゴンッと音が。

私が凛の上に倒れこんだせいか凛が頭を床でぶつけたのだ。

ただこれは凛がわざとやった事とは私は知るよしもなく。



「 り、凛! 大丈夫っ ゴンッてすごい音が 」

「 びでぇな… 足の次は頭かよ 」

「 ごめん!わざとじゃなくて、凛が引っ張るから… 」

「 片手だけで男の俺を引っ張り起こそうなんて無理だろ 」



ん、まぁそうかも… そうなの?



「 羽奈はなんもわかってないよな~ 」



え… え、ちょっ… !?