私の後ろからの声に振り向けば、可愛い女の子が涙目で立っていた。
「 藤谷、もういいって 」
「 でも!私のせいだもん 」
だもん?
私より小さくてお目めクリクリ…
ボブヘアーが似合う女子って羨ましい。
私がボブヘアーなら金太郎だ……
「 泉沢君が無事で良かったぁ~ 」
あら、あらららら。
腕にギュッとしちゃって可愛い。
と思っていた私の目に凛をしかと見た。
凛は優しい顔して女子の絡む腕をあっさり解いた。
ん?
これは… 照れなのか、ウザいの意味か?
「 藤谷、くっつくな 」
「 だって… 彼女だもん、いいでしょ 」
かっ、彼女ー!?
びっくり発言に思わずのけ反ってしまった。
「 凛、あんた彼女いたの…? 」
彼女いるくせに私にあんな事したわけ?
「 勝手に彼女になるな、てかないし!」
「 ひど… 」
「 凛!」
なんてクソ生意気な奴。
こんな可愛い女子がそばにいて、贅沢な!
冷たい凛は口を閉ざし、女子は涙目でいる。
そこへ汗だくな凛の担任が来た上に、頼も。
何がなんだが……
担任の話によれば移動教室へ行く時、女子が足を踏み外した拍子に真後ろにいた凛が犠牲になったと言う。



