生意気オオカミの虜


「 頼、凛が落ちたってなんで、どういうこと? まさか頭を…… 」

「 落ち着け羽奈、たく、親が留守の時に… 」

「 ねぇ 凛に何かあったらどうしよう!」

「 羽奈 怖い事言うなっ 」



だって、階段から落ちたなんてどうして?

凛は頼と同じで運動神経いいんだよ、なのになんで?


凛っ……




日高総合病院、受付で凛が処置室にいると聞き慌てて頼と行く。



「 凛!」

「 凛っ 」



「 あれ、頼兄、羽奈… 何?」



え… えっと、足首?湿布?



「 お兄さんかな?凛君は階段を踏み外したらしく軽傷ですが念のためレントゲンを撮りましてヒビもないので大丈夫ですが、痛みがあるようなので捻ったかもしれないですね 」



先生の話を聞きながら凛をずっと見てた。

落ちたと聞いて凛に何かあればとどんなに怖かったか……

なのに凛はヘラッとしてる。

心配したのに……



「 羽奈、凛といて 」



頼は看護師に付き添われて治療費を支払いに。

私は凛を睨んでいた。



「 羽奈、顔怖い 」

「 頼と私がどんなに心配したか…… なんで踏み外したのよ!そんなの今まで1度も 」

「 私のせいです!お姉さん、私をかばったからなんです 」



え… 誰?