沙亜夜side

蒼空斗とバイクで帰る途中、
蒼空斗が「公園に寄っていってもいいか」と聞いてきた。

私が「いいよ」と言うと蒼空斗は近くの公園でバイクを止めた。

私たちが降りるとさっきの女の子がこっちに来ていた。


蒼空斗「なんで……来るな…!綾香…もうやめてくれ……」

綾香と呼ばれた女の子は笑いながら
蒼空斗に触れようとする。

さっき以上に震え出す蒼空斗。

お願い。やめて。もう誰かが壊れるのは見たくないの。

そう思うと体が勝手に動いてた。

パシッ! 触れようとする手を掴む。

沙亜夜「蒼空斗に触らないで。これ以上蒼空斗を傷つけないで…。」

女の子は目を見開いて、どんどん怒りをあらわにしていく。

綾香「あんた、蒼空斗のなんなのー?
蒼空斗を返してよ~笑、私の''物''なんだから。」

''物''と聞いたとき、蒼空斗の瞳が黒く染まった。

その瞬間私の中でなにかが切れた。

沙亜夜「蒼空斗は物じゃない!!
蒼空斗には、蒼空斗の感情があるの!
蒼空斗を傷つけるなら許さない!」

私はつい殺気が出てたみたいで、

女の子は文句を言いながら去っていった。

私は急いで蒼空斗の側に駆け寄る。

沙亜夜「蒼空斗!大丈夫だから…もう大丈夫だから…」

蒼空斗は少し落ち着いたみたいで

ゆっくり立ち上がって近くのベンチに座る。

私は少し距離をあけて隣に座った。

蒼空斗「なぁ、俺の過去を聞いてくれるか…?」

少し苦しそうにそう言う蒼空斗をみて、

私はこの時絶対に救ってみせると誓った。

沙亜夜「うん。聞かせて?
でも無理に話さなくていいからね?」

蒼空斗「ああ。」

もうそんな悲しい顔させないから…

私が半分もらうから…