十桜夜がいる病院から帰るとき、

蒼空斗が送ってくれることになった

べつに一人でも大丈夫なんだけど…笑

沙「蒼空斗!帰ろ!!」

蒼「ああ。」

少し寂しそうに、バイク置き場に歩いていった。

返事はしてくれたけど、どこか壁があるようで…

蒼空斗はなにを抱えているの?

救ってみせるから。

だから、お願いそんな悲しい顔しないで?

バイク置き場まで行くと、蒼空斗が固まっていた。


沙「蒼空斗??」

蒼空斗が見ているところをみると、

一人の女の子がこっちをみて笑っていた。

「ダメだ」って直感で思った。

このままじゃ、蒼空斗が壊れちゃうって思ったんだ。

沙「蒼空斗!!帰ろ!」

沙「ねぇ、蒼空斗!!お願い!帰ろ!?」

どれだけ呼んでも蒼空斗は

怯えたような目をして女の子を見ている。

お願い。蒼空斗。あなたが壊れる前に。

ごめん、蒼空斗。

私は蒼空斗を力いっぱい引っ張って

私の方を向かせた。

私が掴んだ手は、震えていてどうしようもなくって。

私まで悲しくなってくような。

沙「蒼空斗…帰ろっか。」

蒼「ごめん。分かった。」

ねぇ、お願い。私が半分背負うから。

だから。少しでも苦しまないように。

話してくれるのを待つから。