「ホストクラブ、ですか?」 「うん」 裏口から店内に通された日美は、キョロキョロと辺りを見まわしながら、ためらいがちに尋ねた。 すでに営業を終えた店内では、整った顔立ちのホストたちが、ガヤガヤと雑談を繰り広げている。 「あれ?彼方*カナタ*、今日オフじゃねぇっけ?」 1人が彼の方を向き、怪訝そうに問いかけたため、その場の視線が日美に集中する。 -…恥ずっ!てか、アタシ何してんだか… 時計を見れば、すでに午前2時。 日美は早く家に帰りたい一心で、自分をここに連れてきた張本人を見た。