「行ってきます」


ぐっすりと眠り込んでいる彼方の額に唇をおとして、日美は学校へと出かける。


あの日以来、日美は彼方の家で生活をしていた。


日美の学校と彼方の仕事の時間は別々なため、1日のうち、2人が顔を合わせれるのはわずか。


しかし、想いは確かに通じ合っていた。


孤独から解放された日美は夢遊病を治すことにも成功し、暮らしは日に日に良くなっている。