「ありがとうございました」 自宅の玄関の前で、日美は深々と頭を下げた。 泣いた後の顔を隠す彼女を、心配そうに見つめながら、ゆっくりと車に乗り込む彼方。 そして、日美が家の中に入ったのを確認してから、夜明けが近づく道に、車を走らせた。