私は少し意地悪を言ってみた。 「え?なに、照れてるの?」 「照れてなんかねぇ」 どう見ても照れてる。 弱っている会長もいいなって思ってしまった。 その後、会長は私の手を繋いだまま歩き出した。 会長が住んでいる町を案内してもらった。 帰りは駅まで送ってくれた。 「どうして私をここに連れてきたの?」 「……」 会長は黙ったままだった。