ずっと思ってた。

龍殿に居る時の悠人は、どこか苦しそうだった。

でも、姫さまが来てから少しずつ人間らしい表情に戻っていった。

女遊びも減ったしね。

「冬華ちゃんには敵わないよ」

今にも泣き出しそうな、そんな顔、

「そっ、、、」

プルルルル。

悠人の携帯が鳴った。

「ごめんね。そろそろ行かなきゃ。」

悠人は私に顔を見せることなく部室を出て行った。