「そうか。実はな、昨日の夕方、学校から帰ってすぐに森田がベランダから飛び降りたらしい」
「・・っ!」
その言葉にわたしも瀬那も一気に顔が青ざめた。
「そ、それで、彩香は無事なんですか?」
「3階だったっていうのと、下に植え込みがあったのと、まだ夕方ですぐに通行人が連絡してくれたっていうのが重なって、命に別状はないそうだ。ただ、足を変に打ったらしくて、車いす生活を余儀なくされたと昨日両親から連絡があった。いまはまだ意識は戻っていないらしい。」
死んでいないという事実にはほっとした。
でもそれと同時にはじめて自分たちが犯した過ちの大きさに気づいた。



