かけがえのない人





次の日、朝から雨が降っていた。

なんとなく嫌な予感がした。そしてそれは的中することになる。

朝学校につくと彩香は学校にきていなかった。いつもなら先についていて本を読んでいるのに。

HRがはじまるチャイムがなっても彩香は現れなかった。

ーーガラガラ

担任が教室に入ってくるなり、

「山瀬と北見ちょっといいか」といった。

彩香のことだとすぐにわかった。

廊下を歩いて普段はあまり使うことのない教室まで歩く。

「突然ごめんな。少し確認があって。森田をいじ・・はぶいていたというのは事実か?」

いじめという言葉はいいづらいみたいだった。

「いえ、はぶいていません」

瀬那がそう答える。