かけがえのない人



親に渡すプリントが配られたときに、わざと彩香を飛ばして瀬那に渡したり、消しカスを頭に投げたりした。

わたしは前の席だったからやってはないけれど、瀬那がやっていたのを知っていたから同罪だと思う。

わたしたちは、別に本格的ないじめをしていたわけじゃない。

トイレに閉じ込めて水をかけるとか、上履きを隠すとか、教科書に落書きしたり破いたりするとか。


話しかけられても無視をしたり、本当にちょっとしたいたずら程度な気持ちだった。