「航は?運動神経よさそうなのに」

「俺、運動しちゃいけないんだ」

「え?」

「俺、小学生のころから野球やっててさ。少年野球とかにも入っててさ、ピッチャーだったんだ」

航が野球をやっていたなんて想像がつかない。

髪の毛だって染めているし、肌だって全然焼けていない、綺麗な肌だったから。

「そう、だったんだね」

「でもさ、中学のとき肩壊してさ。手術までしたんだ。日常生活に支障はないけど、先生に野球はもうできないっていわれた。」

そうやっていったときの航の顔をわたしは忘れることはないだろう。

そして今きづいた。

航の視線の先には野球グラウンドがあることに。