かけがえのない人



あのときから俺は野球をやめた。

俺が野球を選んだばっかりに、彩香があんな目にあってしまった。

あのまま引っ越さなければ、地元の中学に通ってれば、彩香だって友達はいたし、なにより俺が守ってあげることだってできた。


俺は自分自身を憎んだ。


でもそれと同時に殺してやりたいほど憎んだやつがいる。