「最低、だよね。軽蔑したよね」 あえて大きい声でわたしはそういった。 そうするとずっと黙っていた美波がわたしの顔をじっとみてきた。 その目はすごく真剣で、怒っているようにもみえて、美波の口が開いた時もどんなことを言われるんだろうと怖くて思わず耳をふさぎたくなった。 でもその前に美波の声がした。 「うん、たしかに最低だね」 今度こそ耳をふさぎたくなったし、体が凍り付いていくような感覚がした。