【完】ヤンキー少年とコヒツジ少女


その言葉にみんなが黙り込む。
まるで、そのことを肯定するように。
同じ意見だと言わんばかりに黙り込んだ。


流石の剣崎くんも表情を変えていた。


どうしよう、何か言わないと。


みんなの視線が私に集中する。
違うんだって、言わないと……。
だって私、剣崎くんが好きなんだもん。


なのにどうして言葉が出てこないの……。
身体震えて、声が出ない。


「……ぁ」


やっと口が開けたその時。
後ろに立っていた人の気配がなくなった気がした。


「……っ。」


振り向いてみれば。
無機質な瞳した剣崎くんが、その場を離れようとしていた。


「まっ……。」


私が声をかけるよりも先に。
剣崎くんはその場からいなくなってしまった。


「っ違うの!
 私っ、剣崎くんが好きなの!!」


どうして今言うの。
もっと早く言ってたらこんな事にならなかったのに……。