お祭りの時しか食べられない特別な食べ物。
宝石みたいにきらきらしたいちごあめを。
大事に、ひとくちひとくち齧った。
「美味しいか?」
「うん、美味しい……。」
「小梛がいちご好きなら、今度はいちごタルトでも作ってくる。」
「えっ、いいの?」
「食べてくれるか?」
「もちろんっ!」
きゅっと、手を握る力が強くなる。
どきどきする。
夜だから?お祭りだから?
それとも、もっと好きになったから……?
好きって、伝えたい。
「けんざっ……。」
剣崎くんの名前を呼ぼうとした時。
名前を呼ぶ声が聞こえた。
「おーい!羊~!」
「……み、みっ子ちゃん?」
振り向けばそこには。
うちのクラスの男女グループがこちらに歩いてきていた。



