好きだと気付いてしまってから。
顔、みれない。
ドキドキするし、なんか熱い。


「あこ~!」


「あっ、ママだあ!!」


「うちの子がすみません。ありがとうございました。」


「いえ、またなあこ。」


「うん!またね、お兄ちゃんお姉ちゃん!」


「またね。」


しばらくしてお母さんが現れて。
あこちゃんはお母さんと手を繋いで帰っていった。


「俺らも帰るか。」


「う、うん。」


外は夕日が沈みかかっていて。
剣崎くんのオレンジ色の髪の毛を。
さらにオレンジ色に染めていた。


キラキラしてる……。
胸がきゅっとする。


影でよく顔が見えないや。
今、どんな顔してるんだろう剣崎くん。


見えなくて、もどかしくて。
見つめていた事実が恥ずかしくて前を向く。
前を向けば、私たちの影が出来ていて。