そう、始まりは突然に。


「俺と付き合ってくれ。」


そう、突然に訪れた。


どうして、彼が。
どうして、私に。
どうして、こ、告白を……。


告白をされて恥ずかしくてドキドキして、顔が赤くなって……。
そんな状況にはまったく一ミリもならなくて。
ただただ、顔色が悪くなっていく。
血の気が引いていく。


私は今、狙われた獲物状態になっています。


嬉しいとか浮かれた気持ちなんてこれっぽっちもなくて。
どうして、なんで、が頭の中をぐるぐる回っている。


とにかく理由が知りたかった。
接点のない、話した事もない私たちがどうしてこんな状況になったのか。


私は震えて涙目で。
彼は三白眼のつり目をさらに細くして私を睨んでいて。


どうしてこんな状況になったのか。
誰か、助けて……。




始まりは唐突に。
もう夏がすぐそこまで来ている季節。
朝、学校についてゲタ箱を開けると、一枚の手紙が入っていた。


今時珍しい、ラブレター。
白色の封筒に赤いハートのシール。