浦空高校1年、橋本真波。
今日は勇気を出して告白する日。
相手は中島紅。学年ではモテる方だと思う。
告白するせいか、朝から調子が良くない。
(うぅー、緊張してきたー。)
誰もいない教室で紅を待つ。
外からは部活をしてる生徒の声。
時間は4時30分。
(そろそろ来るかな。)
そう思っていると教室のドアが開く。
入ってきたのは間違いなく紅だ。
心臓の音が早くなる。
「何?話って」
紅はぶっきらぼうに言う。
性格が冷たいから仕方ないけど。
(ここで言わないと...!)
拳に力をいれる。
「ず、ずっと前から好きでした!
付き合って下さい!」
(言った。言ってしまったー。)
顔が熱くなる。
紅をちらっと見ると考えているようだ。
「別にいいよ。付き合ってあげても。」
夢かと思った。
「え、ほんとに?」
そう聞き直すと「ほんと、ほんと」と言う。
嬉しすぎて涙が出てきた。
「じゃあ、一緒に帰る?」
「うん!」
こんな幸せが一生続けばいいのにって思った。
だけど、悲劇は突然起こるものだった。