良く働いている、のだろうか?という疑問があるものの。

アンナさんが好意から言ってくれているのは間違いなかったので、事の成り行きを見守っていたラウルへと改めて視線を向ける。



「じゃあ、その、水やりをしながらでもいいなら」


「ああ、もちろん。アンナさん、ありがとう」


「いいのよ、大丈夫。じゃあ、行ってらっしゃい、ティナちゃん」



どう言えばいいかはわからなかったが、誘いを受けるような言葉を返せばラウルは嬉しそうに微笑みながらアンナさんの方へと視線を向けて礼を述べた。





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アンナ side


元々一人で店を切り盛りしていた立場である私は、気にしないでと軽く手を振りながら歩き出した二人を見送るようにその後ろ姿を見ていた。



――初めてじゃないだろうか。


ラウルくんが“あの日”以来、誰かに興味を示したのは。



私はふふ、と嬉しそうに笑みを零しながら店の仕事へと戻った。


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