「道知らば 摘みにも行かむ 住の江の………」

常磐は、笑った。

もう、誰が、この気持ちを解ってくれるのか。

「誰も、わかるわけがないわ。」

そう、常磐は自嘲ぎみに笑った。

「岸に生うてふ………」

この気持ちは、誰にも当てればよいのか。

もう、叶えてくれる人なんて、いるわけが無い。

「分かっては、いるのよね。」

-でも、願ってしまうのは、何故なのだろうか。