車通りが止まって、信号が青く光ると同時に、歩き出す。



ふと隣を見上げると、楽しそうな久遠くんと目が合って、首を傾げられた。




私、そんなに何か言いたげな顔してたかな…。



それに、「ううん」と首を振って微笑んだ。




久遠くんの脚の長さなら絶対に私と歩く速さ違うはずなのに、今隣にいるのは歩幅を合わせてくれてる…んだよね…?



さすがというか紳士すぎ…。




ていうかこれ、まさかの駅まで一緒に行きましょうパターン…?



いや、別に全然いいんだけど、なんか、こっちが緊張する…!



な、なにか話題…、話題…!



「く、久遠くんのクラスは文化祭何やるの?」


「…さあ。」


「さあ!?」



頑張って振り絞った話題に予測してなかった返答が返ってきて、思わず言い返してしまった。




さ、さあって…!いや久遠くんらしいっちゃらしいけど、さすがに文化祭準備始まってるよね!?



ていうかその準備しててこの時間なんじゃないの!?